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こうの史代 『夕凪の街 桜の国』
夕凪の街桜の国
夕凪の街桜の国
こうの 史代
原爆の恐ろしさを初めて知ったのは、小学生の時に読んだ『はだしのゲン』ででした。でも当時は、被爆した人の変わり果てた姿ばかりが印象に残り、そこが怖かったのであって、それ以外のことで自分が感じたことなど、あまり覚えていません。
この中の「夕凪の街」の時代設定は昭和三十年。
原爆・被爆というと
昭和二十年当時の悲惨さばかりに目が行き、生き残った人たちのことは忘れがちになります。終戦から六十年たった今でも、八月になればその後をずっと生き続けてきた人たちのことにも思いが至りますが、今や平和な日本の、全然関係ない所に住んでいる身としては、過去のことであり、歴史上のことなんです。
そういう視点から見て、『はたしのゲン』とは違った原爆・ヒロシマ・戦争を読めるのではないでしょうか。

「夕凪の街」の主人公皆実は、原爆で父や姉などを亡くし、母と二人暮し。
貧しく、バラックのような家に暮らしながらも、会社で事務仕事に就き一見元気で平和そう。でも、生き残ってしまった自分をいつも責めているのです。幸せを感じてもいいはずのときでも、あの時の惨状を思い出すと、また引きずり戻される……。
そんな皆実の心に平安が訪れたかのような場面で、私は、よかったね、もうそんなに自分を責めないで生きてほしい、と思ったのに。
そこが、何の現実も知らない私の能天気さだと、次の瞬間思い知らされたわけです。

「桜の国」は「夕凪の街」の続編、と言ってもいいかな。
舞台は東京で、時代も昭和六十二年と平成十六年。
原爆を投下されたということが、決して過去の出来事ではない人たちがまだいる。そして、それを忘れてはならないということ。そういうことを改めて知らされました。でも……忘れてはならないということにも、少し不安が残ることがありました。

ここであまり書いては、興をそぐことになりますので、このあたりで止めます。どこかの国では、核兵器を造っただの、所有しているだの言っていますが、本当にやめていただきたい。かの国だって戦争の痛みは知っているはず。もうこんな物語の生まれるようなことが、世界中からなくなることを祈ります。

★★★★★ 平成16年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作
| 読書 コミック | 16:34 | comments(2) | trackbacks(0) | ↑TOP
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今大反響を呼んでいる作品ですね。
購入されたのですか?
本当にすごく良かったようですね。
泣きましたか?
| でこぽん | 2005/03/01 12:33 AM |
でこぽんさん、これは図書館で借りました。
ぶらぶらと物色中、マンガの一画で見つけてビックリ。
読みたいなーとは思っていましたが、まさか図書館にあるとは。
記事本文では、泣いたということを宣伝文句のように使いたくなかったので書きませんでしたが、本当はすごく言いたかったんです。よくぞ聞いてくれました!
泣きました〜。
泣きながら、ひどくショックを受けました……。
もう三回読みました。買っちゃうかも。
機会があったら、ぜひ読んでください。お願いします。
| ココ | 2005/03/01 9:51 AM |
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