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絲山秋子 『逃亡くそたわけ』
逃亡くそたわけ
逃亡くそたわけ
絲山秋子
福岡から鹿児島までの逃亡ロードノベル。
後先考えずに出発してしまう二人。何の心配よりも薬の心配が一番で、その辺のチグハグさが花ちゃんの精神状態を表しているのでしょうか。とにかくただ車で九州を南下して行くだけの物語なのに、花ちゃんの遣う博多弁がいい味出していました。花ちゃんは、生まれも育ちも福岡で、九州をとても愛しているのです。標準語だってちゃんと話せるけど、福岡を愛しているから常に博多弁なのです。
ずっと聞こえていた幻聴「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」が、逃亡を続けているうちにだんだん聞こえなくなっていくのは、果たして病気が良くなったからなのか、そしてそれが病院という閉鎖された空間から自分で選んだ場所へ飛び出して行ったからかはわからないけれど、ちょっとスカッとする感じです。
花ちゃんがどうして躁状態になってしまったのか、なんの説明もないけれど、ダムの件なんかを読むと、その性格が垣間見られて、少し理解できなくもないような気もするな。

皿うどんにソースをかけるとか、熊本名物のいきなり団子とか、離合という言葉とか、ローカルな話も面白かったです。
そして、花ちゃんが九州のすばらしさをなごやんに語るときが、それ以上に良かった。とてもおもしろく読みました。

★★★
| 読書 小説 | 11:13 | comments(2) | trackbacks(8) | ↑TOP
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ココさん☆こんばんは
なごやんの病気の原因って、故郷を隠そうとするところから始まってるんじゃないかなって思えました。
花ちゃんみたいに故郷を自慢できるって事は、それだけで幸せなことなんだなぁって思います。
なかなか痛快なストーリーでしたよね。
| Roko | 2005/09/12 10:25 PM |
Rokoさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
花ちゃんの故郷を愛する様子、読んでいて気持ちの良いものでした。本当に幸せなことだと思います。
私、★を三つしかつけなかったけれど、今考えると少なかったかも。読んでから随分経っていますが、なかなか忘れられない物語となっています。
| ココ | 2005/09/13 6:51 PM |
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[読書]逃亡くそたわけ/絲山秋子
ISBN:4120036146:detail★★★★☆ 初めての絲山作品でした。たっはあ〜、巧いですね。 読んでいて、とにかく楽しい。 精神病院から男女が脱走するロード・ムーヴィーもの。バリバリの博多弁の女の子と、名古屋出身なのにとってつけたような標準語を使う、茶髪の心優し
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亜麻布二十エレは上衣一着に値する
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こん○○は! 雨が降らないだけで、気分がよい気がします♪ なぜこんなに雨がきらいなのでしょう? 不思議ですよね〜。 雨が好きな人もいますね。 私のしってる限り、雨の好きな人は元気な人が多いです。 一般的には雨の好きな人はちょっと内向的な人かな〜っ
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逃亡くそたわけ
逃亡くそたわけ 中央公論新社 絲山秋子 このアイテムの詳細を見る  「先生あたし躁の時幻聴があるんです。幻聴が来ると躁が悪くなって何するか判らないんです。亜麻布二十エレは上衣一着に値するって、毎日毎日そればっかりでわけわからないんです」(本文より
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