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石田千 『踏切趣味』
踏切趣味
踏切趣味
石田 千
踏切とその周辺の商店街や人、季節のうつろいなどを綴った随筆集です。

そう、これはエッセイではなく、随筆と言った方がしっくりくる。本当に、主に東京の踏切を軸にした街歩きというだけのものなのに、その視点がとてもよいのです。
普段、どこへ行くにも車で、電車に乗ることはおろか、1キロ以上歩くことさえない私。車を持つ前はバスと徒歩で通勤していたので、例えば花粉の季節はより辛く、桜が咲けばちょっとゆっくり眺めながら通り過ぎ、夏の暑さを日々実感し、それとともにエアコンのありがたさに頭をたれ、歩いてかいた汗の量で秋を感じ、街路樹が葉を落として寂しげになった頃冬の訪れを知る……
といったように、季節に目を向けただけでも今よりずっと敏感でした。そういう、なんでもないこと、気がつくか気がつかないかの境い目みたいなところが、この『踏切趣味』の魅力でした。

あとがきで、これだけ踏切を見物しているのに、踏切についてくわしくならない、とあります。が、それがいいのではないでしょうか。街歩きに必要以上の詳しさは不要。踏切の幅をはかる単位も、自分の歩幅ってのもまた乙な感じではないですか。
読んでいる自分が、その風景を想像する楽しみを、ぜひ味わいたいものなのです。

★★★★
| 読書 エッセイ | 14:37 | comments(0) | trackbacks(1) | ↑TOP
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「踏切趣味」
「踏切趣味」 石田千 筑摩書房 「愛しさとせつなさを渡す踏切を描写」 著者は、国学院大学文学部卒業。 作家嵐山光三郎氏の助手となる。 2001年「大踏切書店のこと」で 第1回古本小説大賞を受賞。 「彷書月刊」誌の連載をまとめた。 「月と菓子パン
| テニスボーイの右脳 | 2005/06/30 1:59 AM |
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