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荻原浩 『あの日にドライブ』
あの日にドライブ

 43歳タクシードライバーの牧村伸郎は、元都市銀行員。上司に放ったたった一言が原因で辞表を書くことになり、三ヶ月前にドライバーになったばかり。でも、これを一生の仕事にする気はなく、かといって他に就職先もないまま、営業成績の上がらない毎日を送っていた。思い浮かぶのは、これまでの人生の曲がり角のこと。銀行に就職していなかったら。学生時代の恋人と結婚していたら。あの時銀行を辞めていたら……。
 そんなことを思いながら車を運転していると、その過去の曲がり角にタイムスリップして……となると、『流星ワゴン』(重松清)になっちゃいますが、この物語はあくまでも妄想で終わる、現実をいく話。だからタイムスリップはしません。

 都市銀行で順調に出世していたというプライドが邪魔をして、ウジウジと全てを運だの偶然だのといい続ける伸郎にはかなりうんざりさせられるけれど、ドライバーとしてのコツをつかみ出し、過去の栄光や挫折を消化しないまでも薄れさせていくようになると、おもしろくなってきました。
 それまで妻や子供たちの冷たさしか感じられなかったのに、家族の温かい一面を見るようになるところなど、かなり都合のよい伸郎だと思ったけれど、きっと心に余裕のない時というのは、誰でも一緒ですね。

 最初は、著者らしいユーモアのある文章より、主人公の暗さが目立ってしまってどうなることかと思ったのに、やっぱりそこは荻原浩。最後まで楽しく読めました。ただ……どうしても、重松清風という印象が最後まで付いてまわってしまった……。

★★★
| 読書 小説 | 23:14 | comments(4) | trackbacks(8) | ↑TOP
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私も『流星ワゴン』だと思ってました。
派手さはないですが、いい話でした。
こういう話を飽きさせずに読ませる作家というと、
どうしても重松清と比べてしまいますね。
私は☆☆☆☆くらいでした。
| りあむ | 2005/12/17 11:29 PM |
りあむさん、最初はなんだか『流星ワゴン』ぽいし、主人公が暗いしで、これはどうかな……なんて思いましたが、やっぱり荻原さんには裏切られませんね。
けれど、こういう話なら、重松清という人がいるので、少しもったいなかったかな、と感じました。
| ココ | 2005/12/19 12:42 PM |
そんなに、「流星のワゴン」に似てるんですか・・・。未読なんですが、それは読んでみたいところですねー。
| ゆうき | 2005/12/27 1:00 AM |
ゆうきさん、出だしは本当にこのまま「流星ワゴン」になっちゃうんじゃないかって感じです(笑)。
「流星ワゴン」はすごくオススメなので、ぜひ読んでいただきたいです。
| ココ | 2005/12/29 10:58 AM |
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『あの日にドライブ』タイムスリップはしません、念のため。
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