あまり感想になっていません
重松清の作品を読むのは、およそ二年ぶり。初めて読んだのは『舞姫通信』。それまでに感じたことのなかった読後感で、一気にファンになりました。それから、完全ではないけれど追っかけて読んでいて、そして二年前、『トワイライト』で、疲れてしまいました。いじめや吃音、リストラといったテーマが、本当に痛くて痛くて。
久しぶりに読んでみようと思った、この『きみの友だち』だったけど……。
私事ですが、高校三年生のとき、「みんな」から外されてしまった友だちがいました。昼食も一人ぼっち。
私は隣のクラスだったけれど、二年生のときに仲良くなった友だちだったので、見ていられずに、何日間か彼女の所属していた部活の部屋で一緒にお昼を食べました。そして、同じく二年生のときに仲の良かった友だちも、クラスはバラバラだったけど、お昼に集まってくれて。その中に、この本の登場人物、由香ちゃんと同じように腎臓を患っている友だちがいました。そしてその友だちは、私たちが二十歳になる年、成人式の三日前に、亡くなりました。
だから、この本を、私はとても冷静に読めないし、思いがあふれすぎて、感想もうまくまとめられそうにありません。
私は「みんな」から外されてしまったことはないけれど、群れるのが苦手。でも学校では、やっぱり仲の良い友だちといつも一緒ではあったし、それはその友だちが好きだったからでもあるけれど、自分を守るためでもあったと思います。集団の中で孤独になることの怖さを、十代の頃は今より恐れていたのだから。
この本を冷静に読めないのは、高校生のときのことや、亡くなった友だちのことを思い出すからだけではなく、それまでに何度となくあった、そういういじめのようなものを、見て見ぬふりをしてきてしまった自分の弱さを突きつけられてしまったからかもしれません。
私も「みんな」は苦手だから……。
ラストがすごくよかった。やっぱりとても心に痛い物語だったけれど、このラストなら安心です。
★★★★