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ジョン・マグレガー 『軌跡も語る者がいなければ』
新潮クレスト・ブックス奇跡も語る者がいなければ
新潮クレスト・ブックス奇跡も語る者がいなければ
ジョン・マグレガー, 真野 泰
とても濃い物語でした。物語というのは少し違うかもしれません。住人一人一人の描写が細かく時間に沿って描かれているので、ストーリーらしきものはないのです。まるで連続した絵を見ているよう。読んでいて思い出したのは、小学生の書く日記や作文。
「今日は朝起きて、顔を洗ってご飯と目玉焼きを食べました。そして隣の○○くんと外で遊びました。お昼になったので家に帰りました。その後は・・・」というような。
もちろんこの作品は、こんな事実だけを述べたものではないのですが、だらだらと続く文章は読みにくく、最初に提示されていた夕方の出来事の謎というものがなければ、最後まで読むことはできなかったかも。これはこれで新鮮で、皆が主役になり得る物語として光っているのかもしれません。
私には難しい。
| 読書 海外 | 12:18 | comments(0) | trackbacks(1) | ↑TOP
ジャスパー・フォード 『文学刑事サーズデイ・ネクスト 2〜さらば、大鴉』
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉

前作で『ジェイン・エア』の結末を変え、一躍有名人となったサーズデイ。テレビ番組などに引っ張りだこで少々うんざり。
結婚もして、公私共に充実・・・かと思いきや、サーズデイの周囲にまた不穏な空気がたちこめる。

すばらしい。かなり飛ばしてますねー。
訳者あとがきにもありましたが、シリーズでは、その都度何かの小説がテーマになり、それに関する事件が起こり、サーズデイが解決していくという、
一話(ほぼ)完結ものになるものだと、私も想像していました。
ところがなんと、物語は前作からまだ終わっていなかったのですね。安心するのはまだ早かったわけです。
というか、前作はきっかけにすぎなかったということか。
だって、今回、ますます大変なことになってしまいましたから!

それにしても、またいろんな面白いものが登場しました。
脚注を使って話しかけてくる電話。米とレンズ豆を混ぜて偶然を量るエントロポスコープ。地球の内部を自由落下して移動するグラヴィチューブ。
そしてなによりも楽しいものは、地上26階地下26階に及ぶ大図書館を通して行われる書物間移動や、
ジュリスフィクションという、小説の作中人物たちが集まって文学を守っている保安機関の活動。
小説好きなら誰でも一度は、好きな物語の作中人物になった自分を想像したことありませんか?といってももちろん、遊びでしている活動ではないジュリスフィクションです。
文学への関心がものすごく高いこの世界では、文学に関する事件が後を絶たず、こんな機関が密かに活躍しているのですね。

作中には様々な文学作品が登場します。例えば『大いなる遺産』『不思議の国のアリス』『ハムレット』。
もちろん読んでいれば言うことなしですが、読んでいなくてもそこは想像と訳者の丁寧な訳で補うこともでき全然大丈夫。
まだまだ問題山積みのサーズデイですが、いったいこの先どうやって解決していくのか、早く三巻が読みた〜い!

| 読書 海外 | 22:26 | comments(0) | trackbacks(1) | ↑TOP
ジャスパー・フォード 『文学刑事サーズデイ・ネクスト 1〜ジェイン・エアを探せ!』
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
ジャスパー フォード, Jasper Fforde, 田村 源二

舞台は1985年のイギリス。ただしクリミア戦争はまだ終結していないし、ウェールズ地方は共和国として独立している。
そして飛行機はなくて、飛行船が優雅に飛んでいるし、遺伝子操作によって流行のペットはドードー。
そしてそして、国民の文学に対する関心度の高さは特筆すべきことでしょう。


古くて新しい、現実のイギリスとはちょっと違った舞台設定が楽しいです。
小説の作中人物を誘拐してきて殺してしまい、ストーリーを変えてしまったり、物語を通してシェークスピアの正体について議論が交わされていたり。
出てくる作品は何作もあり、もちろんそれらを読んでいれば言うことなし、です。
でも、読んでいない私でもその雰囲気を楽しむことができる・・・それは本そのものが好きだから。
小説が好きで、登場人物に感情移入して一緒に泣いたり笑ったり、時には腹を立てたりする人にとって、お薦めの一冊です。

SFでシリーズ第一作ということもあり、その世界についての説明的な部分が目立ったので、最初はちょっと読みにくいかもしれないけれど、
続くシリーズへの伏線となるエピソードがいくつか出てくるため、これからがとっても楽しみ。

そうそう、この本のために『ジェイン・エア』を読んだばかりだったので、それも作用して面白かったかな〜。
『ジェイン・エア』については作中であらすじが説明されるので読んでいなくてもOKだけど、
読んでいた方が、疑問に感じる部分とそれがスッキリ晴れた時の清々しさを感じられてより良いとは思います。

年明けに二作目を読むぞ!
| 読書 海外 | 22:53 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
アンドレイ・クルコフ 『ペンギンの憂鬱』
ペンギンの憂鬱
ペンギンの憂鬱
アンドレイ・クルコフ, 沼野 恭子

まずタイトルがいいです。
ペンギンの憂鬱。憂鬱症のペンギンなんて、本当にいるのかわかりませんが、なんとなく想像できませんか。
ヴィクトルと一緒に暮らしているペンギン、ミーシャは、当たり前ですが、いつもジッと立っているだけ。壁や鏡を見つめたり、立ったまま眠っていたり。
群れの中でひしめき合って暮らすペンギンが、狭いアパートにたった一頭だけというだけで憂鬱そう。
そして、そんな孤独さは主人公のヴィクトルも同じ。

ウクライナの歴史に詳しくないので訳者の解説によると、この小説の時代設定は、

「ソ連が崩壊してウクライナが独立した直後の、犯罪が横行しマフィアの暗躍する「過渡期」の首都キエフ」

だそうです。
ヴィクトルとミーシャの醸し出す静けさ、ウクライナの冬の寒さ、そして不気味な犯罪の影、そんな色のない雰囲気が、その時代にまさにぴったり。
でも、だからといって、無味乾燥というわけではなく、ユーモアもあるのです。
それに一役かっているのがペンギンの存在です。

ラストに向かって、ペンギンにも、ヴィクトルにもある運命が待っています。
引き受けてしまった仕事がきっかけとなり、運命のレールに知らないうちに乗せられてしまったヴィクトル。
シュールです。

またまた訳者の解説によると、村上春樹『羊をめぐる冒険』の雰囲気に似ているそうです。
残念ながら私は読んでいないのですが・・・。

| 読書 海外 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(1) | ↑TOP
シャーロット・ブロンテ 『ジェイン・エア』
【注意】ネタバレ感想です


フォードの『文学刑事サーズデイ・ネクスト1』の予習として読みました。
ジェインについては、その昔(?)氷室冴子の『シンデレラ・ミステリー』などに登場していたため、家庭教師で幸せな子ども時代を送らなかった女性、くらいの知識があり、
そのうちちゃんと読もうかななどと思う程度でした。
けれど、今回、せっかくその『ジェイン・エア』の小説の世界に入り込むという物語を読むのだから、知らないより知っていたほうが楽しめるのではと考えたわけです。
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| 読書 海外 | 20:55 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
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